広州・深圳の初日に:地下鉄の乗り方と街歩きの基本(2026年11月時点)
広州と深圳は、高速鉄道ですぐ行き来できる距離にありながら、街の性格はまったく違います。千年以上の歴史をもつ商都・広州と、この40年あまりで巨大都市になった深圳。ただ、旅行者が初日に押さえておくべきことは共通しています。地下鉄の乗り方、支払いの準備、そして街の歩き方です。この記事では、二つの街の市内交通と最初の一日の基本を、2026年11月時点の公式情報でまとめました。

二つの街に共通すること
- 地下鉄がいちばん確実な移動手段。 どちらも路線網が広く、運賃も安い。
- 海外カードのタッチで乗れる。 2025〜2026年に両市とも全駅で対応しました(後述)。
- 生活はほぼキャッシュレス。 飲食店や売店はAlipay・WeChat Payが基本です。Alipayの設定は「02 Alipay外国人認証」、必携アプリは「03 アプリ」をご覧ください。
広州の地下鉄
運賃
広州地鉄の票務規則によると、運賃は距離制です。
- 4kmまで2元
- 4〜12km:4kmごとに1元加算
- 12〜24km:6kmごとに1元加算
- 24km超:8kmごとに1元加算
- 珠江新城の新交通システム(APM線)は一律2元
一日券(初回入場から24時間乗り放題)は20元、三日券(72時間)は50元。未使用であれば駅で払い戻しができます。
支払い方法
海外カードのタッチ:2025年10月12日から、広州地鉄の全駅で、海外発行のVisa・Mastercard・American Express・JCBのタッチ決済に対応しました。カードブランドのマークがある改札にかざすだけで、事前の購入やアプリは不要です。日本で発行されたJCBカードが使えるのは、日本からの旅行者には心強いところです(タッチ決済機能付きのカードに限ります)。
乗車コード:AlipayやWeChatの「公共交通コード」でも乗れます。規則では、入場と出場は同じ入口のコードで、と定められています。別のアプリのコードを混ぜて使うと記録が不完全になり、乗車機能が制限されることがあります。
片道券:駅の券売機で購入し、当日・購入駅からの入場で有効です。
気をつけたいルール
- 改札を通らずにタッチだけして20分を超えると、片道券は無効になります。
- 乗車時間には上限があり、超えると追加料金がかかります。
- 身長1.3m以下、または就学年齢に達していない子どもは無料です。
深圳の地下鉄

運賃
深圳市交通運輸局によると、普通車両の運賃も距離制です。
- 最初の4kmが2元
- 4〜12km:1元で4km
- 12〜24km:1元で6km
- 24km超:1元で8km
11号線には商務車両(ビジネスクラス)があり、別料金です。
支払い方法
海外カードのタッチ:深圳市交通運輸局の発表では、2026年9月10日から深圳地鉄の全路線・全改札で国際ブランドカードのタッチ決済に対応しました。17路線・432駅で、銀聯・Visa・Mastercard・American Express・JCBの5ブランドが使えます。条件は、カードに非接触決済機能があり、少額のサイン・暗証番号なし決済が有効になっていること。カードを紐づけたスマホでもタッチでき、為替換算と引き落としは自動で行われます。11号線の商務車両も、ホームの確認機にカードをタッチすれば利用できます。
乗車コード:AlipayやWeChatに海外カードを紐づければ、深圳地鉄の乗車コードも使えます。
羅湖駅・機場駅・崗厦北駅など乗降の多い30駅には、海外カードの使い方を示した二か国語の案内も設置されています。香港から羅湖や福田で入境した場合、最初の地下鉄からそのままカードで乗れるわけです。口岸の選び方は「01 香港から深圳へ日帰り」で詳しく書いています。
初日の過ごし方の目安
広州なら
- 沙面:珠江に面した旧租界の島で、ガジュマルの並木と洋館が続きます。地図アプリで「沙面」と検索すれば、最寄りの地下鉄駅と出口がすぐわかります。
- 珠江の夕景:日が傾く時間に川沿いを歩くと、広州らしい景色に出会えます。
- 飲茶:朝や昼に点心を囲むのは広州の日常そのもの。人気店は週末の朝に混み合います。


深圳なら
- 華強北:電気街。福田口岸や福田CBDから近く、香港からの日帰りでも寄りやすい場所です。
- 深圳湾公園:南山の海沿いに続く公園で、対岸に香港が見えます。
- 南頭古城:古い城壁の中に、カフェや小さな店が並ぶ一角です。
初日に用意しておくもの
- 支払い手段を二つ以上。 タッチ決済のカードと、Alipayの乗車コード。片方が使えない場面に備えて。
- 中国本土で使えるネット回線。 GoogleやLINEは通常の回線では使えません。
- 少額の人民元の現金。 使う場面は少ないものの、念のため。
- チケットはWeChatで探せることが多い。 広州・深圳に限らず、中国の観光地の多くは、自前のWeChatミニプログラムや公式アカウント(公众号)でチケットを販売しています。WeChatで施設名を検索してみてください。
- パスポート。 高速鉄道や一部の施設では本人確認に必要です。ホテルにも提示します。
タクシー・配車アプリ
タクシーの運賃は、両市とも公式に定められています。
| 広州 | 深圳 | |
|---|---|---|
| 初乗り | 3kmまで12元 | 2kmまで10元 |
| 加算 | 1kmごとに2.6元 | 1kmごとに2.7元 |
| 夜間 | 23:00〜5:00は加算運賃が30%増 | 23:00〜6:00は初乗り・加算とも30%増 |
| その他 | 15〜25km部分は20%増、25km超は50%増。ピーク時間帯は上下に変動あり | 深圳空港発は23:30〜6:00に1回15元加算 |
ただ、行き先を中国語で伝える手間を考えると、旅行者には配車アプリのほうが気楽です。上海市の外国人向け案内によると、DiDiはアプリでもWeChat内のサービスでも使え、英語表示に切り替えられ、ドライバーとのメッセージも自動翻訳されます。Alipayの中からも呼べて、料金はAlipayのアカウントから支払われます。海外の電話番号での登録や海外カードの直接登録については、公式発表を確認してください。DiDiの準備は「03 アプリ」でも触れています。
おわりに
広州と深圳は、地下鉄に乗れるようになるだけで、旅の自由度がぐっと上がる街です。とくに2025年以降、海外カードがそのまま使えるようになったことで、初日のハードルはずいぶん下がりました。運賃や対応ブランドは変わることがあるので、出発前に広州地鉄・深圳地鉄の公式情報も確認してください。